Close

8つのQAでわかるはじめてのIoT

知らないままは、もったいない

雑誌でもネットでもテレビでも、IoTという言葉を聞かない日はありません。

「Internet Of Things」の略で、すべてのモノをインターネットにつなぐことです、とよく言われていますが、導入事例を見ても、これってインターネット関係ある?といったものばかり。

ネットにつなぐといえば、ちょっと前に流行ったクラウドもネットだし、あれも意味がわからなかった。
人工知能はどんどん発達しているようだが、囲碁やチェスで人間に勝ったところで、ビジネスにどう活用できるのか。
そもそもIT化とどう違うのか。一体何なんだ。

といった疑問は、殆どの方がお持ちだと思います。

効果があるのか。生産性が上がるのか。なんとなくでは設備投資できない。

そのとおりです。
ですから、まず、IoTとは実際何のことなのか、を知ってください。
その上で、導入して効果が出そうかどうか、判断なさってください。

以下の回答をクリックすると、詳細が見られます。

Q1. IoTって何なんだ
A. いまは主に「業務改善のIT化」のことを指します。

まず、今使われている「IoT」という言葉ですが、今まで聞いたこの言葉の定義は一旦忘れてください。
使い始められた時には確かに「Internet Of Things」という意味でしたが、現在では、もっと大きな概念を表しています。
今のIoTは、

現場で使われるすべての物が、自律的にデータを発信し、そのデータを活用して生産効率を上げる

という概念ですが、とくにこれからIoTについて検討しようと考える企業の皆様にとっては、もっと狭い意味として

改善活動のループを、機械やコンピュータの力を借りて、より早く、より詳細に回す

というくくりの概念を表す言葉と考えたほうがわかりやすいでしょう。
「コンピュータを使った業務改善の効率化」という言葉が、より本質的です。

改善活動では、現状把握のための測定、測定結果の分析、分析結果をもとにした改善方法の検討、改善の実施、という4つのタスクを継続的に繰り返すわけですが、この中で測定と分析はコンピュータが最も得意とするところです。
さらに、最近ではセンサーと無線がついた超小型のコンピュータが非常に安価になっており、導入も容易になりました。
いろいろな設備に個々にセンサー(コンピュータ)を取り付け、そこから上がってくるたくさんのデータを集め、分析して、そこから改善を検討、実施する。
さらに実施結果をデータとして収集し、分析、検討、実施・・・とくりかえすことで、改善がより効率よく進んでいきます。
これが、現在言われている「IoT」の本質です。

IoTのなかに「インターネットへの接続」はあってもなくてもどうでも良いのです。そこは本質ではありません。
単純に、データを集める先をインターネットにしたら、グループ企業内でも共有できたり、分析や蓄積を外注できる、ということです。
まずは社内で閉じた形で進めたい、ということであれば、社内に蓄積/分析用のサーバーを構築すれば良い話です。
インターネットを使ったら便利なら、使えば良いですし、使いどころがないなら使う必要はありません。

Q2 . IT化とはどう違うんだ
A. IT化は作業にコンピュータを活かすこと。IoTは改善活動にコンピュータを活かすことです。


一般的に行われている「IT化」とは、手や機械を使ってやっている仕事自体をコンピューターを使ってやるように変える、というものです。

紙に書いていた図面を、コンピューター上の3DCADを使って書くようにし、さらにそのデータでCAMを使って自動加工する、のようなイメージです。

人の手で機械を制御して加工していたものを、ロボット加工に変える、というのもIT化にあたります。

(A → B のイメージ絵)


IoTとは、作業自体ではなく、作業の改善活動をIT化することです。

・ライン停止時間の計測をストップウォッチ計測からセンサーによる自動計測に変える

・全社の電気使用量を機器やエアコンなどの種類別にセンサーで計測する

などのように、改善のためのデータ収集(測定)をIT化することです。

そのため、導入しても作業のやり方が変わるわけではないですし、必要に応じて小さな規模から始められますので、IT化とは違って導入自体は容易です。

ただし、単純にIoTを導入しただけでは生産性は上がりません。導入して集めたデータを分析し、その結果をもとに改善を行うことで生産性が上がるのです。


ここが、作業自体が変わることが多く導入が難しい代わりに、導入により生産性が直接あがるIT化とは違うところです。

Q3. 効果はあるのか
A. 導入しただけでは意味はありません。目的をしっかり持って取り組む必要があります。


IoT導入への取り組み方によります。

IoTとは、作業自体ではなく、作業の改善活動をIT化することです。

目的をはっきりさせ、その手段の一つとして導入するべきであり、導入自体を目的にしても効果はありません。


生産性の向上を目的とするのであれば、例えば単位時間あたりの生産量を100→120にする、と決めてしまいましょう。

そして、その値を達成するためのキーポイントとなる作業の時間を計測し、その作業を効率化するための改善を行います。

改善の結果はすぐに計測され、効果があったかどうか判断できます。こうして、改善の効果が即時見えるようになることで、改善に対する現場の士気も上がります。また目標が近づいてくる実感も得られ、達成しようとする意欲がわきます。

このためには、計測した値を放置してはいけません。即時分析して改善につなげる必要があります。

できれば、計測結果の分析、改善検討は毎日実施するべきです。


このように、IoTの導入は一部の部署だったとしても、その部署全体、もしくは会社全体で改善活動を推進していく姿勢が重要です。

その意識があり、推進できれば、目的の達成だけでなく、自ら改善を考え、実行する現場も実現できるでしょう。

Q4. 費用はかかるのか
A. 導入する規模によりますが、小さいところでは数千円〜数万円から。


大規模に導入する場合、例えば工場を新築する予定であり、そこで一気に導入をはかる、といった場合には大きな費用がかかります。

データ収集に対応した最新型の機械を導入する場合なども、大きな費用がかかるでしょう。

そうではなく、まず小さなところから導入をはかる場合には、それほど費用はかかりません。

センサーでの計測方法を色々と工夫すれば、既存設備へセンサーを後付けして計測することも可能な場合が多いです。

センサーのプログラムを自社都合で変更する場合は費用がかかりますので、最初の導入時にはおすすめしません。

既存の安価なセンサーで効果を実感してから、必要な部分に限りカスタマイズを行いましょう。

Q5. 情報担当がいないのだが、問題ないか
A. 導入や運用自体は難しくありません。何をどう測ってどう改善するか、を考えられる業務のエキスパートが必要です。


IoTに関する情報担当に関していうと、そもそもデータを取るだけの端末ですから、データが取れていさえすればメンテナンスは不要です。

機能も単純で安価なので、故障すれば交換、のような考え方でも問題はありません。

ベンダーにメンテナンスを依頼しても、それほど高価にはなりません。

IoTを利用した業務改善を効果的に進めるためには、IoT機材の情報担当よりも、自社の業務について深い知識を持ち、改善にあたってキーとなる箇所を見極めることができる、業務のエキスパートや、作業員の改善へのモチベーションを高め、やる気を出す仕組みを作る管理職のほうがより必要です。

Q6. 現場への影響は
A. 導入そのものより、導入に伴って行われる改善活動への影響が大きくなります。


IoTを導入すること自体には、現場の影響はほとんどないでしょう。

例えば作業開始前にボタンを押し、終わったらもう一度押す、といったかたちで、データ測定を行う都合での作業手順変更はあるかもしれませんが、そこも言ってみればお金で解決することは可能です。

作業自体ではなく、作業外の時間で行われる改善活動への影響はかなり大きくなります。

IoT導入により、データは刻々と蓄積されていきますが、たとえば3日前にラインが止まった、というデータを見たところで、何故止まったのかなど忘れてしまっています。意味がありません。

蓄積データは傾向を見るために使いますが、いま現時点で発生した問題のデータに対しては、その日のうちに分析し、改善まで進めておきたいところです。

部門全体、もしくは会社全体で取り組んでいかなければ、改善を毎日続けていくのは難しいものです。

Q7. AIやクラウド、という話も聞くが
A. AIやクラウドである必然性を判断したうえで、導入について検討するべきです。


AIは人工知能のことです。IoTでいうAIの使いみちは、現時点では2種類ありまして、

・たくさんのデータと、それを分類した結果を与えて学習させておき、現場では今来たデータがどこに分類されるか判断させる

たとえばきゅうりの大量の写真とその等級を学習させ、現場できゅうりの写真をもとに等級分別する、など。

・たくさんのいろいろなデータを時系列で与え、それらの中から関連がありそうな傾向を見つけ出す

たとえば、気温と湿度が両方上がってくるときだけ、それに伴ってある機械の不良品率が上がってくる、など。

というものです。

つまり、いままで「職人の経験による勘」と言われていたものに非常に近いものなのです。

コンピューターなので、結果から原因を論理的に探るような分析が得意な気がしますが、じつは現代のAIではその部分はあまり進んでいません。

また、過去の経験から判断しているので、新しい事象が起こった時には判断できなくなりますし、たまたま傾向が一致する全く関連のないもの同士を関連付けたりすることもあります。

しかし傾向がみえているものに関しては分析を自動化できるわけですから、例えば機器の故障予測などの予知保全には非常に有効です。


クラウドに関しては、計測で上がってくる大量のデータをインターネット上のサーバーに蓄積する、ということです。

これによるメリットは、

・複数の拠点のデータを統合できるし、どこからでも参照することができる

・最新の分析技術を容易に導入できる

・サーバーの管理が非常に容易になる

となります。

デメリットは

・継続的に、使用規模に応じた費用がかかる

・機密情報(クラウドに置いた情報)へ第三者がアクセスできる可能性が発生する

となります。

導入についてはこれらのメリットとデメリットを検討し、慎重に決定してください。

Q8. 改善なら普段からやっている。コンピュータを使わなくても十分改善できている。
A. であれば、IoTの効果はますます大きくなるでしょう。


それはとても素晴らしいことだと思います。ぜひそのままお続けください。

ただ、知っておいていただきたいことがあります。

時間あたりの生産量が刻々と画面に表示され、作業員がそれを見て、いつもより下がり気味だと判断したらすぐに原因を調査し、いつものペースに戻す。

前シフトの作業グループと生産性の競争を行い、その勝負に勝つために作業員が生き生きと改善の提案を出し合い、検討し合う。

このように、現場が生産量を意識し、向上させようと努力する習慣をもつためには、やはりIoTによる今のデータを正確に収集する、という力が必要不可欠です。

改善が身についているなら、IoTでの改善効率の向上は、ますます大きいものになるでしょう。

いかがでしょうか。IoTとはこういうものか、となんとなくお分かりいただけましたでしょうか。

当社では、IoT導入、IT化についてのご相談を承っております。

ご興味をお持ちになられましたら、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。

止まらない改善を、あなたの工場へ

お問い合わせ