客先ネットワークに依存しない遠隔メンテナンス

客先ネットワークに依存しない遠隔メンテナンス

客先ネットワークに依存しない遠隔メンテナンス

お客様先に納入した機器のメンテナンスを遠隔で行いたい

製造業者をメインにFA用のソリューションを提供する同社は、現場で稼働する設備からセンシングしたデータをPLC(制御装置)に集約し、工場内の状況をHMI(モニター)で確認できるFA向けのパッケージシステムを提供していた。

異常発生時にPLCに遠隔でアクセスし、現場状況の把握やラダーの改変を行える遠隔メンテナンスサービスとしてさらに付加価値を付けることができないかと考えていました。

抱えていた課題

しかし、お客様の設備に遠隔でアクセスする際に、お客様先のネットワークを介して接続を行う必要があるため、様々な問題点がある。製造現場で使用される機器の多くには独自のプロトコルで通信を行う仕様のものが多く、VPNや一般的なリモートアクセスサービスでは対応できないことなどの問題点がありました。

また、遠隔でのデータ通信を行うため、一定以上のセキュリティを担保した状態で行う必要がありました。

以上の理由により、下記3点の実現が求められていました。

①お客様先の既存ネットワークを使用しないこと
②生産現場の機器と通信を行うために、L2(Layer2)での接続を行うこと
③セキュアな通信を行うこと

客先のネットワークに依存したシステムの構築は様々な弊害がある

・客先ごとにネットワーク構成が異なる
・ポートが閉じられており、VPNやリモートアクセスが制限される
・社内VPNやProxy設定が変更されると、突然接続できなくなる
・NAT環境では外部からの直接アクセスが難しくなる
・客先のルーターやスイッチに問題があると接続できなくなる

などの理由により、遠隔保守サービスの提供には独立した通信回線が求められることがある。

KES P2P Linkの採用で、L2でのネットワーク連携をLTE回線で実現

KES P2P Linkを使ったネットワークを構築することにより、現場のPLCと本社の接続用PCを同一ネットワーク上に接続。

LTE回線で通信を行うことにより客先のネットワーク環境を使用せずに、保守作業を遠隔で行えるようになりました。

さらに、懸念点であったセキュリティ面も、独自暗号通信とP2P接続を使った接続方式を取ることで、高いセキュリティが担保された状態で行われるため、当初の要件を満たすことができました。

実際の機器構成

・現場と本社がLTE回線を介し同一セグメント上のネットワークに存在する状態になる、つまり、あたかも有線のLANケーブルを超延長して直接接続している状態になるため、現場内の通信プロトコルによる制約を受けずに遠隔から保守を行うことができる。

・接続先のデバイスを切り替えることで、任意の拠点にアクセスできる。
・必要な場合だけ現場のKES P2P Linkの電源を入れることでアクセス制限を行う。

全ての業務をそのまま遠隔で行えるように

KES P2P Linkを納入先のPLCに接続することで、既存のFA向けソリューションにLTE回線を使った遠隔保守サービスを追加することを実現した。


これにより、客先ネットワークの使用に伴う弊害を考慮することなく、現地PLCにアクセスすることが可能になった。