「送電線の張替工事に使用」現場のデータ共有システムを無線化する
インターネット回線工事を行わずに済むデータ共有システムを開発する
創業昭和21年以来、配電線・送電線の金物・工具・機械の研究開発・販売を行っている株式会社安田製作所様では、送電線の海峡横断工事に使用する、「延線監視システム」を構築しエンドユーザー様に提供していた。しかし、工事現場ではインターネット回線の敷設に手間やコストがかかり、かつ恒久的に使用する回線でもないため、LTE回線を活用することでより利便性の高い新規システムへ改修を検討していた。
実現したシステム
以前に開発した「延線監視システム」をベースに、電線弛度を表示するシステムの開発を検討。
この時の「延線監視システム」では送信側のリターン場のロードセル信号をNTT光回線にて受信側の延線場へ送信していた。今回の開発では大掛かりな施工を行わずに実現するため「KES P2P Link」によるLTE回線を使用してのシステムを構築。送信側リターン場のロードセル信号をLTE回線を通して受信側の延線場へ送信し、電線の弛度(張力)及び地上高、海上高の表示を行う。

ロードセルから送られる「張力信号」と延線車からの「条長信号」を受信側の制御盤で演算、
送電線の地上高、海上高を算出する。

延線車
送電線の延線時に適切な張力を与え、電線や地上既設物の損傷を防ぐ機器。ウインチとして撤去する電線を巻き取る事もできる。

ロードセル
荷重(力)やトルクを検知し、その大きさを電気信号に変換するセンサー。 「荷重変換器」や「荷重センサー」の名前でも呼ばれる。
詳細な機器構成
地上高、海上高を算出する演算は「延線車側」のPLCにて行われる。

大規模な改修を行わずに既存システムの無線化を実現
このように、KES P2P Linkは既存のネットワークをそのまま延伸できるインフラサービスであり、広域な工事現場のネットワーク連携・遠隔地からの操作に最適なサービスとして活用いただけます。